ロードバイクとスーパーカブで巡る四国八十八霊場と別格二十霊場

ロードバイクとスーパーカブで巡った108の霊場を順次ご紹介します。ブログの前半は寺の歴史と堅い文章が続きますが、後半は寺の見どころやご利益、寺へのアクセスや雑感などを書いてみました。🚲🛵

初願のお寺 徳島県鳴門市「霊山寺」(その1)

第一番札所 竺和山  霊山寺 (じくわさん  りょうぜんじ)

住所 徳島県鳴門市大麻町坂東塚鼻126

電話  088-689-1111

徳島駅から霊山寺まで 距離  12.9km 標高差  ほぼ平坦

 

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徳島駅から霊山寺まで

天平年間(729〜749)に聖武天皇の勅願を受け、行基が創建。行基東大寺の大仏建立にも携わった大僧正で、八十八霊場のうち三分の一は行基によって開基されたと伝わる。弘仁六年(815)に大師が巡錫の際、この地で三十七日間の修法を行ったところ、大師の周りを大勢の僧侶が取り囲む光景が天竺の霊鷲山で釈迦が説法している情景と似ていると感じ取り、天竺の霊山を日本に移すという意味を込め「竺和山霊山寺」と名付け、念持仏の釈迦如来を納め霊場開創祈願を行う。このときの念持仏が釈迦誕生仏像であり、本尊の前に納められたことから寺は後に四国八十八霊場の第一番札所となる。誕生仏は白鳳時代の作で、身の丈14cm余の小さな銅造である。往時は阿波三大坊の一つとされ荘厳な伽藍を誇ったが、天正十年(1582)長宗我部元親の兵火により堂塔は全焼。その後、阿波藩主蜂須賀光隆により復興される。明治24年の出火により本堂と多宝塔以外の堂宇を焼失、以来百年に及ぶ努力により往時の姿へと戻り現在に至る。本堂の奥殿に鎮座する秘仏の釈迦如来空海作とされ、左手に玉を持つ坐像である。応永年間(1394〜1428)に建立した多宝塔は六百年近い歴史を持ち、五智如来が祀られている。多宝塔は密教寺院のシンボルで、平安時代前期から各地で造られる。境内にある縁結び観音は、男女の縁結びだけでなく「健康との縁」「仕事との縁」「幸せとの縁」など様々な縁結びにご利益があるとされる。お賽銭だけではなく、水でお清めをしながら祈ることで功徳が得られると言われる。第一番の札所だけあって巡礼用品を買い求めるお遍路さんが多く、真新しい白衣を着た姿はさながら小学一年生といった感じ。賑やかさを避け落ち着いたところで遍路用品を選びたい人は、街道沿いのお隣にある遍路用品店がお勧め。霊山寺の境内は箱庭のよう美しく、スマホで池を撮影しているお遍路さんが目につく。池は極楽を彩った鯉の泳ぐ放生池と小さな滝のある清水地がある。四国八十八ヶ所霊場の全行程はおよそ1460km、365里に及ぶ。札所番号の順に巡拝するとこの寺が「発願の寺」となり、「同行二人」の長い旅の始まりとなる。ここから第十番霊場切幡寺までの寺は、吉野川北岸に位置する「十里十箇所」と呼ばれており、ロードバイクでのんびり巡るには最適のコース。四国の春は遍路の鈴の音に明けると言われており、初めて行くのであれば早春がよい。山門ではお遍路姿のマネキンが出迎えてくれる。

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