第五番札所 無尽山 地蔵寺
(むじんざん じぞうじ)
住所 板野郡板野町羅漢林東5
電話 088-672-4111
距離 1.8km 標高差 +1m -56m
弘仁十二年(821)、嵯峨天皇の勅願により弘法大師が開創。甲冑を身にまとい馬にまたがる一寸八分(約5.5cm)の勝軍地蔵尊を刻んで本尊に安置する。続く淳和天皇、仁明天皇の帰依が厚く、宇多天皇の頃には紀州・熊野権現の導師を務めていた浄函上人が霊木に二尺七寸(約80cm)の延命地蔵菩薩像を刻み、その胎内に大師作の勝軍地蔵菩薩を納める。本尊が勝軍地蔵のため軍神として崇められ、源頼朝や義経、三好氏らの武将から寄進や保護を受ける。これにより寺領が阿波はもとより讃岐、伊予にまで拡大し、三百を超える末寺を有する。天正年間には長宗我部元親による兵火で堂塔はことごとく灰燼に帰するが、歴代の住職や僧侶、信者たちの尽力により堂宇が整備拡充され現在に至る。寺領は一万二千坪に及ぶ。本堂裏手の石段を上がると奥の院の五百羅漢堂がある。拝観料二百円。様々な喜怒哀楽の表情をした二百ほどの等身大羅漢像を見ることできる。安永四年(1775)の創建で、当初は五百羅漢であったが大正4年参拝者の失火で罹災・再建される。羅漢とは阿羅漢の略称。釈迦の弟子たちで、修行の末に悟りを開いた最高位の僧である。釈迦入滅後、仏典編纂に集まった五百人の弟子が五百羅漢である。地元の人は寺を「羅漢さん」と呼ぶ。寺の近くには「羅漢」というバス停があり、徳島駅に至る。かつては「羅漢」という国鉄の駅名もあった。境内には樹齢八百年とも言われる大いちょうの葉がみずみずしい新緑を見せる。寺の場所は大きな看板があるため分かりやすいが、間違って駐車場脇から境内に入らないよう注意が必要。
御詠歌 六道の能化の地蔵大菩薩 導き給えこの世後の世
御真言 おん かかかび さんまえい そわか