第十三番札所 大栗山 大日寺
(おおぐりざん だいにちじ)
電話 088-644-0069
距離 8.3km 標高差 +68m -81m
弘法大師が寺の北にある「大師が森」にて護摩修行に励んでいると、大日如来が紫雲とともに舞い降りて「この地は霊地なり。心あらば一宇を建立すべし」と告げる。そこで大師は大日如来像を刻み、堂宇に安置し寺号を「大日寺」と定める。平安時代の末期、阿波の総鎮守である一宮神社が神山町から当地に移ると、当寺は神社の別当寺となり、別名「一宮寺」と呼ばれる。戦国時代には「天正の兵火」によって堂宇が全焼し、阿波三代目藩主の蜂須賀光隆により本堂が再建されるが、神社との関わりは明治初期の神仏分離まで続き、一宮神社が札所、大日寺が納経所となる。神仏分離の際には、行基が刻んだ一宮神社の十一面観音像が寺に本尊として移され、大日如来像が脇仏となる。かつては同じ境内にあったとされる神社と寺が、今では往来の激しい県道によって南北へ分け隔てられているが、寺の境内が狭いこともあり、外部の喧騒が本堂に直接伝わってくる。般若心経を唱える声が大型トラックの音にかき消されることもしばしば。これもお遍路さんの修行の一つだろう。境内にはアート作品のような「しあわせ観音」があり、合掌する手中にカラフルな観音像が安置されている。この寺から十七番札所の井戸寺まではいずれも徳島市内。古くから「五ヶ所参り」と呼ばれ、日帰り参拝を楽しむ人も多い。街中を縫うように走る真っ平らな道なので、ロードバイクでのんびりとお参りできる。
御詠歌 阿波の国一宮とはゆうだすき かけて頼めやこの世のちの世
御本尊 十一面観世音菩薩
御真言 おん まか きゃろにきゃ そわか