第十七番札所 瑠璃山 井戸寺
(るりざん いどじ)
電話 088-642-1324
観音寺から井戸寺まで
距離 2.8km 標高差 ほぼ平坦
天武天皇が勅願道場として白鳳二年(673年)に創建。本尊の七仏薬師如来は聖徳太子の作、脇待の日光・月光の両菩薩像は行基の作と伝えられる。七仏ある薬師如来坐像は全国でも珍しく、七難即滅・七福即生の御利益があるという。当時の寺名は妙照寺といい、七堂伽藍や末寺十二坊を誇る壮大な寺院であった。弘法大師がこれらの像を拝むため寺を訪れた際、十一面観音菩薩を彫って安置した。右手に錫杖(しゃくじょう)、左手に水瓶を持った姿形で、高さ1.9mの檜一木造である。大師は村人が水不足や濁水で困っていることを知り、自らの錫杖で井戸を掘ったところ一夜にして清水がこんこんと湧き出たという。南北朝時代の兵乱と天正の兵火で二度堂宇を焼失したがいずれも再建、大正時代に今の寺名に改称する。昭和四十三年にも失火により本堂が中央本尊を残して焼失、三年後に再建される。境内には御詠歌に詠まれた「面影の井戸」と呼ばれる大師が掘った井戸がある。井戸を覗き込んで自分の姿が映れば無病息災だが、映らなければ三年以内の災厄に要注意という。また、傍らには大師が水面に映った自らの姿を刻んだ日限(ひかぎり)大師があり、五日、七日など日数を限って欠かさずお参りすれば願いが叶うと言われている。遍路道をたどって着いたこの井戸寺で五ヵ所参りも終了、阿波国府が置かれた古代阿波国の枢要地をぐるっと巡ったこととなる。大駐車場がお寺の北の県道側にあるが、山門は南側にあるので、ロードバイクであれば山門近くの路地に駐輪すればいい。
御詠歌 面影をうつしてみれば井戸の水 結べば胸のあかやおちなん
御本尊 七仏薬師如来
御真言 おん ころころ せんだり まとうぎ そわか