ロードバイクとスーパーカブで巡る四国八十八霊場と別格二十霊場

ロードバイクとスーパーカブで巡った108の霊場を順次ご紹介します。ブログの前半は寺の歴史と堅い文章が続きますが、後半は寺の見どころやご利益、寺へのアクセスや雑感などを書いてみました。🚲🛵

修行の道場最後、梵鐘を背負ってきた赤亀のお寺 高知県宿毛市「延光寺」(その44)

第三十九番札所 赤亀山  延光寺

(しゃっきざん  えんこうじ)

住所 宿毛市平田町中山390

電話 0880-66-0225

金剛福寺から延光寺まで

距離  53.3km 標高差  +416m  -434m

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金剛福寺から延光寺まで

神亀元年(724)に行基聖武天皇の勅命を受け薬師如来像を彫造、これを本尊として本坊のほか十二坊を建立したのが寺の開創とされる。当時は薬師如来の瑞相にちなんで、山号を亀鶴山、寺名を宝光寺と称する。本尊の胎内には行基が感得した仏舎利が秘蔵されていると伝わる。弘法大師がこの寺を訪ねたのは延暦年間(782〜805)で、桓武天皇の勅願所として再興。脇侍の日光・月光菩薩像を安置し、七堂伽藍を整える。このとき水不足に苦しむ村民のため大師が本堂脇の地面を錫杖で突いたところ、霊水がこんこんと湧き出たことから、大師はこれを「宝医水」と名付ける。今日に伝わる「眼洗い井戸」の起源であり、眼病に効験があるとされ、眼の周りを浸すお遍路さんが多い。延喜十一年(911)竜宮からの遣いとされる銅の梵鐘を背負った赤亀が寺に現れたことから、僧たちは早速これを寺に奉納。山号・寺名を「赤亀山延光寺」へと改める。総高33㎝、口径23㎝の小ぶりな鐘は今も寺に伝わる。明治のはじめ高知県議会の開閉会の合図に打ち鳴らされたといわれ、国の重要文化財に指定。仁王門をくぐった右手には鐘を背負った赤亀の石像がある。道中衣の片側に鶴林寺の「鶴」の印を授かったお遍路さんは、この延光寺で「亀」の印を片側に授かり、縁起の良い「鶴と亀」を背中に並び揃えるのが習わしとなっている。どの印を背中に授かるかは個人の好みだが、結願後に高野山の印を中央上段に押して貰うお遍路さんが多い。これで長かった「修行の道場」も終焉を迎える。土佐清水の市街から寺までの道は中村市街経由、宿毛市街経由、その中間の山間経由のいずれかであるが、山間の道は地元の車もほとんど通らない悪路で、一部苔が路面に生え滑りやすくなっている。曲がりくねった道は思うようにスピードが出ず意外と時間を要するが、高知の道を楽しむ最後の機会である。じっくりと味わいたい。

御詠歌 南無薬師悉除の願こめて 詣る我が身を助けましませ

御本尊 薬師如来

真言 おん  ころころ  せんだり  まとうぎ  そわか


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