ロードバイクとスーパーカブで巡る四国八十八霊場と別格二十霊場

ロードバイクとスーパーカブで巡った108の霊場を順次ご紹介します。ブログの前半は寺の歴史と堅い文章が続きますが、後半は寺の見どころやご利益、寺へのアクセスや雑感などを書いてみました。🚲🛵

大師のお杖椿のお寺 愛媛県四国中央市「椿堂 常福寺」(その79)

別格第十四番札所 椿堂  常福寺

(つばきどう  じょうふくじ)

住所 四国中央市川滝町下山1894

電話 0896-56-4523

仙龍寺から椿堂まで

距離  13.8km 標高差  +266m  -407m

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仙龍寺から椿堂 常福寺まで

大同二年(807)に邦治居士という人物がこの治に庵を結び、地蔵尊を祀る。弘仁六年(815)には四国巡錫中の弘法大師がこの庵を訪れる。大師は当地で流行していた熱病(現在の流寒)を鎮めるため、庵に住民を集めて手にした杖を土に差して祈祷。病を土に封じ込めて立ち去る。その後、この杖から椿が芽を出し、枝を広げて大木へと成長する。椿の木は「大師のお杖椿」として信仰を集め、庵はいつしか椿堂と呼ばれるようになる。寺は今より少し下った場所にあったが、宝暦十一年(1761)火災に遭い、その後椿堂の場所へと合併復興して現在の「椿堂常福寺」となる。安政六年(1859)の火災により寺院とともに椿が焼失するが、焼けた株から再び芽が出て成長し、現在の椿へと至る。寺はいたって狭く、細道を隔てて一方に大師堂が立ち、向かいの赤い鐘楼門をくぐった側に本堂が立っている。境内には椿が多く植えられており、春の季節には多くの観光客が寺に立ち寄る。現在ある「大師のお杖椿」は三代目と伝わる。この椿の葉を水に浮かべ、光明真言を七回唱えてその水を飲むと諸病平癒に効験があるとされる。椿の木には古来より霊力が宿ると言われており、弘法大師だけでなく聖徳太子蓮如上人ゆかりの伝承にも登場する。比叡山延暦寺椿堂聖徳太子が建立したとされる。元の名は安養堂であったが、聖徳太子が登山の時の杖をこの地に建てると、それが大きくなり大地に生えたため、椿堂と呼ばれるようになったという。境内にある「おさわり大師」は、右手で大師石像を、左手で自分の痛いところを触り願うと快癒するとされる。寺は国道192号のすぐ脇に入ったところにある。第六十五番札所の三角寺から讃岐の霊場へと至る経路にあることから、古くより歩き遍路が立ち寄る場所として知られている。境内には高木がないため開放感があり、明るく爽やかな感じがする。国道は交通量が少なく、適度なアップダウンとカーブが続く。途中の集落には地元のスーパーもあり、覗いてみるのも楽しい。運が良ければ地元のお菓子や果物、小さなお弁当が楽しめる。

御詠歌 立ち寄りて椿の寺にやすみつつ 祈りをかけて弥陀をたのめよ

御本尊 延命地蔵菩薩

真言 おん  かかかびさんまえい  そわか

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