ロードバイクとスーパーカブで巡る四国八十八霊場と別格二十霊場

ロードバイクとスーパーカブで巡った108の霊場を順次ご紹介します。ブログの前半は寺の歴史と堅い文章が続きますが、後半は寺の見どころやご利益、寺へのアクセスや雑感などを書いてみました。🚲🛵

同じ境内に二つの札所となった寺 香川県観音寺市「神恵院」(その84)

第六十八番札所 七宝山  神恵院

(しっぽうざん じんねいん)

住所 観音寺市八幡町1-2-7

電話 0875-25-3871

萩原寺から神恵院まで

距離  9.6km 標高差  +32m  -74m

萩原寺から神恵院まで

大宝三年(703)、法相宗の高僧日証上人この地で修行中、宇佐八幡宮のお告げを受けて、かなたの海上にて神船と琴を発見。これらを琴弾山に引き上げて祀り、琴弾八幡宮を開創する。このとき、別当寺として建立したのが寺が始まりとされる。大同ニ年(807)、弘法大師が琴弾八幡宮本地仏である阿弥陀如来を描いて本尊として祀り、「琴弾山神恵院」と名付け霊場と定める。その後、明治初年の神仏分離令宇佐八幡宮は琴弾神社と神恵院に分離され、神恵院は琴弾山の麓にある観音寺の境内へと移転。同時に八幡宮に安置されていた阿弥陀如来像も境内の西金堂に移。これにより「神恵院」は西金堂が本堂、阿弥陀如来像が本尊となる。平成十二年にはコンクリート打ちっぱなしの本堂が建てられ、本尊が移される。無機質な見た目は少々味気ないが、お経を詠むと声がきれいに反射し、独特の音響効果を味わうことができるのは意外な発見。寺の宝物館には「釈迦涅槃像」「琴弾八幡本地仏像図」「琴弾宮絵縁起図」など国の重要文化財に指定された寺宝が納められている。大師堂の横の山には巍巍園(ぎぎえん)と名づけられた庭園がある。室町時代の回遊式日本庭園で、春にはツツジが美しく咲き誇ることで有名。庭園の最上部には巨石が立つ。古くから座禅の場であり、大蛇が住むと伝わる。燧灘に臨む、琴弾山中腹に立つ寺は、同じ境内に第六十九番霊場の観音寺が並び立つ。一つの境内にニつの寺があるのはとても珍しいが、維新の際、檀家を持たなかった神恵院が、やむを得ずに移転先として選択した結果であるとのこと。納経所も観音寺のものを兼ねるため、お遍路さんは同時に二箇所を打てることとなる。時間に余裕が出来たら、山に上にある琴弾八幡宮に足を伸ばすのも良い。神社の境内からは観音寺市街が、その上の展望所からは瀬戸内海が見渡せる。

御詠歌 笛の音も松吹く風も琴弾くも 歌うも舞うも法のこえごえ

御本尊 阿弥陀如来

真言 おん  あみりた  ていぜい  からうん