ロードバイクとスーパーカブで巡る四国八十八霊場と別格二十霊場

ロードバイクとスーパーカブで巡った108の霊場を順次ご紹介します。ブログの前半は寺の歴史と堅い文章が続きますが、後半は寺の見どころやご利益、寺へのアクセスや雑感などを書いてみました。🚲🛵

洞窟「穴禅定」のお寺 徳島県上勝町「慈眼寺」(その23)

 

 

別格第三番札所 慈眼寺

(じげんじ)

住所 勝浦郡上勝町正木字灌頂滝18

電話 0885-45-0044

鶴林寺から慈眼寺まで

距離  18.7km 標高差  +654m  -547m

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鶴林寺から慈眼寺まで

洞窟「穴禅定」の寺

延暦年代(782〜806)に十九歳の弘法大師が巡錫にてこの地を訪れ、霊気漂う不思議な洞窟を発見する。大師は邪気払いのため洞窟の入り口で加持祈祷を行ったところ、洞窟内で巣食っていた悪龍が飛び出し、猛然と襲いかかる。大師はひるまずに秘密真言を唱え続けたところ、その法力により悪龍は洞窟の奥へと封じ込められる。大師は更に十一日間の加持を行い、霊木に十一面観音を刻んで建立した堂宇に安置した。この洞窟は後に「禅定ヵ窟(ぜんじょうがくつ)」と呼ばれ、「穴禅定」という修業の地となる。「穴禅定」とは、先達に案内され、ローソクの灯りだけで往復100mの狭い洞窟に入堂してお参りをするものであり、無事通り抜けると無病息災、金運開運に効験があるという。寺務所前に石柱が二本あり、その幅28cmを通り抜け出来ない大柄な人は入堂が不可、閉所恐怖症の人も同様に入堂不可である。狭い洞窟の中には仏像に見立てた数多くの石があり、その奥に弘法大師像が祀られている。慈眼寺の中興は天正年代(1573〜1593)、細川頼春によると伝えられる。その後は二十番札所鶴林寺飛地塔頭七院の一つに数えられたが、他の寺院が明治維新の際に本坊へと合併された時も残され、明治八年に鶴林寺奥の院となる。駐車場の近くに本坊・大師堂があり、そこから山道を二十分ほど登ると本堂、更にその上部にある石灰岩の鍾乳洞が禅定ヵ窟である。上勝町の最後の集落を離れてしばらくすると灌頂ヵ滝という落差60mの直瀑がある。朝日を受けると水面が五色に輝くことから「不動の御来迎」と言われる。この辺りまでは観光客も来るが、そこから先の慈眼寺まで訪れる人はまばらで、別格霊場らしい静寂を味わうことができる。ここまで来ると本当に四国の山の中といった感じである。

御詠歌 天とふや鶴の奥山おくたへて 願う功力に法ぞ通はむ

御本尊 十一面観世音菩薩

真言 おん  まか  きゃろにきゃ  そわか

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