ロードバイクとスーパーカブで巡る四国八十八霊場と別格二十霊場

ロードバイクとスーパーカブで巡った108の霊場を順次ご紹介します。ブログの前半は寺の歴史と堅い文章が続きますが、後半は寺の見どころやご利益、寺へのアクセスや雑感などを書いてみました。🚲🛵

胃腸に良い蛤水のお寺 徳島県板野町「大日寺」(その4)

第四番札所 黒巌山  大日寺

(こくがんざん  だいにちじ)

住所 板野郡板野町黒谷字居内5

電話 088-672-1225

金泉寺から大日寺まで

距離 4.9km 標高差  +82m  -21m

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金泉寺から大日寺まで

弘仁六年(815)弘法大師がこの地で修行中に大日如来を感得し、一刀三礼をして一寸八分の大日如来像を彫造。これを本尊として寺を創建、本尊より寺名を大日号とする。大日如来真言密教によると宇宙の真理を現し、その光明が万物を照らす最高の仏とされる。三方を山に囲まれ、黒谷川の上流にあることから「黒谷寺」とも呼ばれ、かつては立派な堂塔が立ち並んでいた。歳月の経過とともに寺は荒廃するが、応永年間(1394〜1428)には夢の託言に従い松法師という僧侶が寺の修復を行い、慶安二年(1649)には徳島藩二代藩主蜂須賀忠英が材木を寄進して本堂一宇を建立。寛永十一年(1799)には十一代藩主蜂須賀治昭が堂塔の修復を行う。阿波の札所の中で、長宗我部の兵乱の難を免れた数少ない寺の一つである。称徳四年(1714)には真言宗御室派総本山の御室仁和寺の直末寺となるが、明治20年には真言宗の根本道場である京都東寺の末寺となる。平成30年に改築された山門(鐘桜門)は、旧門と同じく下層が角柱、上層が丸柱の欅造りで重厚感を感じる。大師堂内陣には「両面大師」と呼ばれる二種の仏画がある。左手にある背景が紺地の一幅が「夜の大師」、右手にある白地の一幅が「昼の大師」である。砂岩をくりぬいて造られた手水鉢は文政五年(1822)に奉納されたもの。流れる湧水が白濁していたことから「蛤水」と呼ばれ、胃腸に良いと地元民から重宝がられていたが、水の出が悪くなり現在は上水を利用。寺の脇を流れる小川の水は時期により白濁する。本堂と大師堂をつなぐ廊下には、明和年間(1764〜1772)に大阪の信者から奉納された三十三体の西国霊場観音菩薩像が安置されている。大日寺の先々代住職は、不治の病とされていたハンセン病の人たちを厚くもてなし、奇特な住職としてお遍路の間で今も語り継がれる。先代の住職は大学教授兼仏教美術研究家で、仏画・著書多数有り。寺は五番札所を横目で見ながら上り坂を一気に駆け上がったところにあり、駐車場から山門までの参道が美しい。

御詠歌 ながむれば月白妙の夜半なれや ただ黒谷のすみぞめの袖

御本尊 大日如来(伝弘法大師作)

真言 おん  あびらうんけん  ばざらだどばん

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