ロードバイクとスーパーカブで巡る四国八十八霊場と別格二十霊場

ロードバイクとスーパーカブで巡った108の霊場を順次ご紹介します。ブログの前半は寺の歴史と堅い文章が続きますが、後半は寺の見どころやご利益、寺へのアクセスや雑感などを書いてみました。🚲🛵

弘法大師 親孝行のお寺 徳島県小松島市「恩山寺」(その20)

第十八番札所 母養山  恩山寺

(ぼようざん  おんざんじ)

住所 小松島市田野町恩山寺谷40

電話 0885-33-1218

井戸寺から恩山寺まで

距離  17.6km 標高差  +68m  -9m

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井戸寺から恩山寺まで

聖武天皇の勅願によって行基が自ら刻んだ薬師如来像を本尊にして開いたとされる。創建時には「大日山福生院密厳寺」と称し、「花折り坂」より上は女性の立ち入りを許さない女人禁制の道場であった。弘仁五年(814)、弘法大師がこの地で修行をしている折に、大師の生母である玉依御前が讃岐の善通寺から訪ねてきた。子供に会えず嘆き悲しむ母親を見た大師は、寺の女人禁制を解くべく山門近くの滝に打たれて十七日間の秘法を修し、無事母親を迎え入れたという。やがて玉依御前は本寺にて出家・剃髪し髪を奉納したことから、大師は山号・寺名を現在のものに改める。そして「我が願いは末世薄福の衆生の難厄を除かん」と誓い、自らの像を刻み安置する。その後天正の兵火により焼失するが、江戸の文政年間に再興を果たす。境内の大師堂の脇には、息子に寄り添うように玉依御前を祀る御母公堂がある。山門近くにある大きな黃赤色の木はびらん樹といい、大師お手植えとされている。樹皮が剥がれ落ちるという特徴のあるこの樹木の正式名称は「ばくちの木」であるが、住職によると勝運到来といったご利益はなく、木の葉からとった水は咳止めの良薬になるいう。県の天然記念物に指定。四国八十八霊場の中で恩山寺だけに伝わるお守りに摺袈裟(すりげさ)がある。梵語の呪文である陀羅尼(だらに)が刻まれており、減罪生善(悪いことが良いことに変わる)の功徳がある。明治三十一年に落雷のため多くの建築物が焼失したがその後再建、罹災しなかった大師堂を含めて寺は八棟の建物からなる。井戸寺からは徳島市街を抜け国道33号線を南下する。片側2車線のバイパスはロードバイクには不向きで、歩道兼自転車道を我慢して進むしかないが、国道から外れると静かな田園地帯が広がる。お寺は小高い山の中腹にあり、ちょうど良い加減の上り坂。

御詠歌 子を生めるその父母の恩山寺 訪らいがたきことはあらじな

御本尊 薬師如来

真言 おん  ころころ  せんだり  まとうぎ  そわか

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